木の良い香りを嗅ぐとリラックス出来るって本当?
こんにちは!代表の田中です。
以前のブログでは、「木が持つ温かみ」の温かみって一体なに?ということを読み解いてみました。
今回はそれに続いて、「木の良い香りの正体って、なに?」「木の香りを嗅ぐとどうなるの?」という別の視点から、木の特徴について考えてみたいと思います。
木の良い香りを嗅ぐとリラックス出来るのか?その答えは「イエス」です!
覚えておきたい、におい成分、αーピネン(アルファピネン)!
代表的な木材であるヒノキやスギに含まれている成分に「αーピネン」があります。
聞き慣れないかもしれませんが、この「αーピネン」こそが、人が嗅ぐとリラックス出来る木材由来の成分です。
木の調査研究を行う森林総合研究所によると、いくつかの調査によって、「αーピネン」が人をリラックスさせる効果があることが報告されています。
その代表的な二つを見てみましょう。
生後 1 ~ 3 か月の赤ちゃんにヒノキやマツなど、針葉樹に多く含まれる香りの成分であるα-ピネンを嗅いでもらう実験を行いました。
まずは香りのない状態で 2 ~ 3分間安静にしてもらった後、α-ピネンの香りを2~3 分間赤ちゃんの鼻の近くで流し、最後にもう一度においのない状態で安静にしてもらいました。この間、赤ちゃんの生理応答として脳の活動と心拍数を連続的に測定しました。
香りを流している間は脳の活動が上昇し、赤ちゃんがにおいを感じていたと推測されました(図 1)。また、 心拍数は減少していたことが分かりました(図 2)。
赤ちゃんも木の香りで「リラックス」したのではないかと考えられます。
引用:森林総合研究所 第3期中期計画成果集
人工気候室内(温度25℃、湿度50%、照度230ルクス)で、女子大学生13名に「αーピネン」あるいは空気を90秒間嗅いでもらい、その間の生理応答として心拍間隔と心拍数を計測しました。
また、においを嗅いだ後に、嗅いでいた時の気分状態を質問紙に回答してもらいました。
その結果、副交感神経活動の指標である心拍のゆらぎ(心拍変動性)における高周波成分は、αーピネンの吸入によって、空気の吸入と比較して46.8%有意に上昇し (図1)、心拍数も2.8%有意に低下しました。質問紙の結果でも、αーピネンの吸入によって「快適である」と感じていることが示されました。
αーピネンの吸入は、生理的リラックス効果をもたらすことが分かりました。
引用:木材由来のにおい成分α-ピネンは人をリラックスさせる
以上の調査から、赤ちゃんでも成人でも、αーピネンを嗅ぐとリラックス効果が得られることが証明されています。
木は見た目だけではなくその香りからも、リラックス効果が得られるのですね。
気軽にαーピネンを嗅ぐには、入浴がおすすめ!
自然にαーピネンを嗅ぐためには、森林浴をしたり登山をしたり、あるいは木工に取り組んだりするなど木に触れる機会を作るのが好ましいです。
しかし、普段生活をしているとなかなかそんな機会は作れないという方は多いと思います。
そのような方には、森林の香りが楽しめる「入浴剤」がおすすめ!
入浴剤メーカーでもαーピネンに関する研究が行われており、この成分がリラックス効果を生み出すという調査結果を出されています。
香りと免疫のおはなし
α-ピネン=森林浴の香りで免疫力アップ?!
バスクリン
そろそろ寒い時期になってきました。お風呂に入るときには、入浴剤を入れて、森林浴気分を味わってみてはいかがでしょうか。
あとがき
木は、見た目と香りの両方で人々をリラックスさせてくれることが分かりました。
自然の中に育っているので、人間にも優しい素材ということなのかもしれません。
私は鳥取県出身、在住なので、山や木が溢れていて、意識しなくとも木には触れているのですが、それでも部屋の中には観葉植物を置いたり木製品を使ったりしています。
ぜひみなさんも自分なりの方法で、木に触れてリラックスしてみてください。
イッポラボ合同会社代表、おもちゃコンサルタント。大阪教育大学卒業時に、一種免許状(高等学校教諭、英語とフランス語)を取得。東京外国語大学大学院では国際協力分野を専攻し、途上国の教育について研究。
趣味はラジオを聞くこと、登山、海外旅行。2021年からは地元鳥取と大阪の2拠点生活にチャレンジ。