子どもの成長に「ごっこ遊び」が必要な理由とは?
こんにちは!代表の田中です。
先日もまた、甥っ子、姪っ子がいる姉の家に遊びにいきました。リビングに入るとすぐに目に飛び込んできたのは、段ボールで作られた巨大トンネル!
「これ、どうしたん?」と姉に聞くと、4歳になる甥っ子がお父さんと一緒に作ったとのこと。大人の僕でも入って遊んだら楽しめるくらい立派でした(笑)。
また、ゆっくりコーヒーを飲んでいると、突然甥っ子がおもちゃの刀を出してきて、「水のこきゅう、いちのかた!!」と言いながら刀を振り回していました。
ご存知の方はすぐにピンときたと思いますが、いま大流行中の「鬼滅の刃」の主人公、炭治郎の技で、甥っ子も炭治郎になりきっているんですね。「うわ〜、やられたー!」なんて言いながら相手をしてあげたのですが(このリアクションが正解だったのかはわかりません笑)、最近の甥っ子のごっこ遊びは、熱量がとても高いようです。
このように、何かを真似して作ったり、演じたりする「ごっこ遊び」は、子どもにはとても重要だと言われています。なぜ重要なのか?一緒に見ていきましょう。
1歳半ころから「見る世界」に遊びの領域が広がる
乳児期から幼児期に入る1歳半ごろ〜4歳にかけて、子どもの遊びは段階があがっていきます。特に、視覚が発達する1歳半は“遊びの変わり目”と言われており、「手で触れる世界」から「見る世界」へと移り変わっていきます。
「見る世界」へと変わっていくと、子どもはまずは何でも真似をする時期に入っていきます。好きなキャラクターと同じポーズをしてみたり、年上の兄妹がいる場合は、おにいちゃん、おねえちゃんの真似をしてみたり。両親がおもちゃの遊び方を伝えると、その通りに遊ぶようになります。目で見たものを繰り返す遊びがどんどん増えていきます。
次第に遊びのレベルがあがり、本格的なごっこ遊びを始めるようになります。冒頭に書いた、僕の甥っ子が炭治郎の真似をして「水のかた、いちのこきゅう!!」と言っているのも、まさにこの時期のごっこ遊びです。
ごっこ遊びが子ども必要な理由は?
「見る世界」に遊びの段階が上がると、なんでも真似をするようになる子ども。では、「ごっこ遊び」は子どもにどんな良い影響を与えるのでしょうか。
次の理由から、子どもにごっこ遊びは必要と言うことが出来ます。
- おもちゃを取り合ったり、貸し借りしたりという体験から、自己と他者の違いを学ぶ。友達との遊びを通して、思いやりを知り始める。(1歳〜2歳ごろ)
- 頭の中の「想像」を、手を使って「創造」し始める。自己表現が豊かになり、遊びが質的に深まっていく。(3歳ごろ)
- 子どもが自分で遊びを選び、遊びを決めていくようになる(自分で判断出来るようになる)。子どもの自由な感性が伸びていく。(4歳ごろ)
ごっこ遊びをすることで、人として本質的に必要な素養が身についていくと言えそうです。子どもの近くでごっこ遊びを見ていると、特に「自己表現が豊かになること」は実感しやすいかもしれないですね。
時には、ごっこ遊びに熱中しすぎて大きな声を出す子どもに「うるさ〜い!」と言いたくなることもあるかもしれません・・・(苦笑)。そんな時は、遊ばせる場所を公園に変えてみたり、子ども同士で遊べる室内の施設に連れて行ったりしてみてはいかがでしょうか。
あとがき
ごっこ遊びの種類にはいろいろあると思います。炭治郎のようなアニメキャラクターになってみたり、おままごとをしてみたり、子どもの興味対象によって様々です。
僕も、甥っ子が次にどんなことに興味を持ち始めるのか、今から楽しみにしています。
参考文献
『スーパーアドバイザーになるためのおもちゃコンサルタント入門1』
編著:多田千尋
出版社:黎明書房
出版日:2011年4月15日
イッポラボ合同会社代表、おもちゃコンサルタント。大阪教育大学卒業時に、一種免許状(高等学校教諭、英語とフランス語)を取得。東京外国語大学大学院では国際協力分野を専攻し、途上国の教育について研究。
趣味はラジオを聞くこと、登山、海外旅行。2021年からは地元鳥取と大阪の2拠点生活にチャレンジ。